藤木秀朗(ふじきひであき)
Hideaki Fujiki
映画史・映画理論、視覚文化、映像メディア、文化研究、近代史
cinema history and theory, visual culture and media, cultural studies, modern history
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| ●経歴 |
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中央大学文学部哲学科 学士
名古屋大学大学院文学研究科日本言語文化専攻 修士(学術)
ウイスコンシン大学大学院マディソン校コミュニケーション・アーツ学科映画専攻 MA、PhD
B.A. in philosophy and education, Chuo University
M.A. in Japanese Studies, Nagoya University
M.A., Ph.D. in film, University of Wisconsin-Madison
ハーバード・イェンチン研究所客員研究員(2006-2007)
Visiting Scholar, the Harvard-Yenching Institute, 2006-2007
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| ●担当授業/Teaching courses: |
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大学院演習:
「歴史/映画/アジア:台湾と日本を中心に」(2011前期)、「日本映画史の現在」(2010後期)、「映像と情動」(2010前期)、「観客へのアプローチ」(2009年後期)、「映像メディアと文化変容」(2009年前期)、「映像と歴史/記憶」(2008年後期)、「グローバリゼーションと映像メディア」(2008年前期)、「映画とアジア」(2007年後期)、「消費文化とイメージ」(2006年前期)、「日本映画史」(2005年後期)、「映画観客論」(2005年前期)、「映画、ジェンダー、セクシュアリティ」(2004年後期)、「現代映画理論」(2004年前期、2003年前期)、「映画とモダニティ」(2003年後期)
学部・教養講義:
「日本映画史論」、「映画批評分析」、「映画史」、「映像メディアとナショナリズム・人種・ジェンダー」など
Graduate Seminars:
History/Cinema/Asia: Twaina and Japan(Spring 2011), Recent Japanese Film Historiography (Fall 2010), Cinema and Affect (Spring 2010), Approaches to Audiences (Fall 2009), Visual Media and Cultrual Transformation (Spring 2009), Visual Media and History/Memory (Fall 2008), Globalization and Visual Media (Spring 2008), Cinema and Asia (Fall 2007), Consumer Culture and Image (Spring 2006), Cinema Audience (Spring 2005), Cinema Gender, and Sexuality (Fall 2004), Contemporary Film Theory (Spring 2004, Spring 2003), Cinema and Modernity (Fall 2003)
Undergraduate Lectures:
Japanese Cinema History, Critical Film Analysis, Film History, Visual Media: Nation, Race, and Gender, etc. |
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●最近の主な出版物 |
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著書・論文
『増殖するペルソナ――映画スターダムの成立と日本近代』名古屋大学出版会、2007年
Its revised English edition (the working title of which is Proliferating Personas: The Formation of Transnational Film Stardom in Modern Japan) is under contract with Harvard University Asia Center.
『日本映画史叢書 14巻 観客へのアプローチ』(編著)森話社、2011年
『イメージとしての戦後』(共編著)青弓社、2010年
The Japanese Cinema Book (co-ed.), forthcoming.
"The Formation of 'the Society' and Audiences as 'the People': Social Education and Cinema in Modern Japan." In Oxford Handbook of Japanese Cinema, ed. Daisuke Miyao. Oxford University Press, forthcoming.
“Canonising Sexual Image, Devaluing Gender Performance: Replacing the Onnagata with Female Actresses in Japan’s Early Cinema.” In Remapping World Cinema: Identity, Culture and Politics in Film, eds. Stephanie Dennison and Song Hwee Lim. London and New York: Wallflower Press, 2006.
"Movie Advertisements and the Formation of a New Visual Environment,"Japan Forum, forthcoming.
"Visual Historiography
in Japanese Photographic Collections of the Postwar Era,” Review of Japanese Culture and Society XXI (December 2009).
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監訳
デイヴィッド・ボードウェル、クリスティン・トンプソン著『フィルム・アート――映画芸術入門』(飯岡詩朗、板倉史明、北野圭介、北村洋、笹川慶子との共訳)名古屋大学出版会、2007年
This is the Japanese translation of David Bordwell and Kristin Thompson’s Film Art: An Introduction, 7th edition (New York:McGraw-Hill, 2004).
その他
Review of Michael Baskett’s Attractive Empire: Transnational Film Culture in Imperial Japan (Honolulu: University of Hawai‘i Press, 2008), The International Journal of Asian Studies, Vol. 6, Issue 02 (July 2009).
Review of Valentino: Rediscovering an Icon of Silent Film (DVD from Flicker Alley, 2007), The Moving Image: The Journal of the Association of Moving Image Archivists , Vol. 9-1 (Spring 2009).
Review of Thomas LaMarre’s Shadows on the Screen: Tanizaki Jun’ichiro on Cinema and "Oriental" Aesthetic (Ann Arbor: University of Michigan Center for Japanese Studies, 2005), Journal of Japanese Studies 35 (Summer, 2008).
「映画の歴史化、体系化、定義――1920年代前半の映画文化の語り」、牧野守監修『日本映画理論言説体系 第3期第28巻 寺川信「映画及映画劇」』ゆまに書房、2006年
「制度としての映画の批判――岩崎昶の一貫性と揺らぎ」、牧野守監修『日本映画理論言説体系 第2期第1巻 岩崎昶「映画芸術史」』ゆまに書房、2004年
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| ●大学院受験生のためのQ&A/Q&A for Potential Students
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| Q: |
学部で映画史の授業をとって、映画研究に興味をもったのですが、大学院に行くほど魅かれているかと聞かれると、どうも踏み切れないところがあります。先生は、どういうところに興味をもって映画を研究し始めたのですか?
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藤木: |
一言で言えば、新しかったからです。僕は大学院に入ってから初めて映画が学問になることを初めて知ったのですが――つまり、大学院に入る前には知らなかったのですが、他の領域に比べればまだあまり研究されていないので自分にも新しいことができるんじゃないかという気がしたという、ちょっと不純な動機からこの道に入ったというのが正直なところです。ただ、これをテーマにちょっとがんばってみようという気にまでさせられた魅力は、映画を通していろいろなことが考えられるというところですね。映画は、政治経済や工学といったことから社会や日常生活にいたるまでさまざまなことにかかわっています。僕はもともと哲学や教育学に興味があったのですが、映画という視点からこうしたことも考えられるとわかったことが一番大きかったと思います。ただ、もちろん、映画の研究にはさまざまな方法や考え方があり、興味の持ち方はひとそれぞれです。映画が大好きで研究に入った人も入れば、映画ファンというほどでもないけど学問的に考えるのがおもしろいからといことで研究を始めたという人もいます。 |
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Q: |
映画については、これまでほとんど専門的に勉強したことがなく、学部で授業を一つとったぐらいなのですが、それでも大学院から受け入れてもらえますか? |
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大学院入試の点さえよければ受け入れます。院試の過去問を見てもらうとわかるように、かならずしも映画に関係する問題に答える必要はありません。ですから、実質的に、映画についてまったく勉強していなくても合格する可能性があります。また、実際に大学院に入ってからも、基礎的な内容の、学部生との合同講義も単位が取れるようになっているので、学部のときに専門的に勉強していなくても困るということはありません。とはいえ、もちろん、院に入ってから映画や映像文化を専門的に研究したいという人はある程度、下に記した基礎的な参考文献は読んで勉強しておいて欲しいとは思います。その一方で、歴史学であれ、文学であれ、哲学であれ、経済学であれ、法学であれ、どんな領域の勉強もきっと生きてくるので、学部で異なる専門だったという人がうちに来て映画研究、視覚文化研究をやりたいというのは大歓迎です。
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| Q: |
名古屋大学で映画を研究する利点はどこにありますか? |
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藤木:
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そうですね、最近日本でも映画専攻や映像専攻が増えてきていて、それぞれに特徴があるので受験の際には、よく調べて自分の問題意識や意向と照らし合わせて考えてみる必要がありますね。ご存知の通り、僕の所属しているのは映画専攻ではなく、日本文化学講座です。ですから、映画制作をやりたい人や、狭い意味での映画ということに集中して勉強・研究したいという人にはあまり向かないかもしれません。この講座で重視しているのは、映画、もっといえば広く視覚文化を通して文化、社会、歴史、あるいは政治経済を考察することです。ただし、このことは映画そのものの性質を考えないということではありません。映画史、映画理論、分析や批評の方法に関する授業を設けていますし、名古屋大学では映画制作の授業も取ることが可能です。とはいえ、あくまで最大の目標はもっと大きなところにあります。とりわけ、文学をはじめとする異なるメディアとの関係、近代性・消費文化・グローバリゼーションなどといった文化的・社会的現象との関係を考察することに重点をおいています。
利点としては、文学や歴史をはじめ他の領域を専門にしている人たちと密にかかわりながら勉強できるというところでしょうか。院生からはよく、そうした点で視野が広くなるし刺激になるので良いと聞きます。新しい研究方法やポピュラー・カルチャーに関心を抱いている人が多いということも特徴だといえると思います。
あとは、留学制度が比較的充実しています。名古屋大学は、(2008年春の時点で)ニューヨーク大学、ウォリック大学、フリンダース大学など優れた映画研究プログラムのある大学と交換留学協定を結んでいますし、ハーバード・イェンチン研究所の奨学生にも応募できます。(詳しくはこちら。)また、「おしらせ」にあるように、国内外の著名な研究者を招くことが多いので、そうした研究者に触れる機会に恵まれるという点もメリットだと思います。 |
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Q: |
映画以外の映像メディアや視覚文化を専門にすることもできますか?それと、日本文化学講座のなかで研究するということは、日本映画でなければダメとうことでしょうか? |
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| 藤木: |
映画以外でもできます。写真、テレビ、アニメなどはとくに歓迎します。たしかに、指導という意味では、僕自身の専門から少し逸れるので多少不十分な面も出てくるかもしれませんし、ゼミも映画に偏りがちであることは否めません。しかし、先ほども言ったように、この講座では映画の性質のみを追求するというよりも、映画と他のメディアとの関係や、文化・社会・歴史を探究することを目標としているので、問題意識が高く学術研究が行える能力のありそうな方であれば受け入れたいと思っています。また、学内外の他の先生方や研究会などの協力を得ることも可能なのでそれほど心配する必要はないと思います。実際、名古屋大学では、現在、ヴィジュアル・スタディーズ・ネットワーク(VSN)を立ち上げて、視覚文化を学び研究する環境を充実させようとしています。すでに触れたように、これまで、学外から、映画以外の映像メディアや視覚文化を専門にするさまざまな研究者を随時、招聘してきましたし、これからもそのようにしていきます。
それと、日本映画でなければダメかというご質問ですが、日本映画を対象にする必要はありません。何らかの形で日本に関連していれば大丈夫です。たとえば、アメリカ映画の受容の問題、中国映画と日本との関係、戦前の帝国主義とアジア映画、グローバリゼーションと日本の観客(映像メディアの消費者)など、さまざまな形で日本との関連性を持たせることができると思います。
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| Q: |
受験勉強はどのようなことをやっておけば良いでしょうか?
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藤木:
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過去の問題をみればわかるように、日本文化学専門の問題は2つの大きな問からなっています。「日本文化・日本文化史論」と「史資料解読」です。例年、原則的に両者とも5問からなり、受験者はそれぞれ1問ずつ選択して答えることになっています。それぞれの問題に、映画・映像に関する問が一つずつ含まれています。
「日本文化・日本文化史論」の映画・映像に関する問は、小論文形式で3問のうち2問を選択して答えます(年度によって多少変更する場合もあるので注意してください)。評価のポイントとしては、細かい専門的な知識よりも、問題意識の高さ、思考力、文章の構成力、そして基礎的な知識(下記のような基礎的な文献から得られる、思想、歴史、そして映画・映像に関する知識)があるかどうかが重要になってきます。
「史資料解読」の映画・映像に関する問題は、基本的には専門知識を問うと同時に、英語の読解力を見るものです。基礎的な語彙力と基本的な専門用語についての知識もある程度必要ですが、それ以上に多少わからない単語があっても論理展開を読み取れるかどうかが鍵になってきます。ここで要求される専門的な知識は「日本文化・日本文化史論」で要求される知識と同じです。
では、知識としては何を勉強しておけばよいか。大きく分けて4つのことが求められます。
@ 映画史についての基礎的な知識:
映画史を通史的に概観した本を読んで、基本的な歴史を頭に入れておくこと。日本映画史はもちろんですが、アメリカ映画史、アジア映画史なども読んでおくとよいでしょう。例えば、
・四方田犬彦『日本映画史100年』集英社新書
・佐藤忠男『日本映画史』全3巻、岩波書店
・北野圭介『ハリウッド100年史講義』平凡社新書
・キム・ミヒョン『韓国映画史』キネマ旬報社
・佐藤忠男『中国映画の100年』二玄社
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A 映画理論・分析についての基礎的知識:
まずは概説書を読んで、基本的な理論史の流れと概念を把握するとよいでしょう。そのあとで、その中からいくつかの論文・書籍を読んでみることをお勧めします。概説書の例としては、
・デイヴィッド・ボードウェル、クリスティン・トンプソン『フィルム・アート 映画芸術入門』名古屋大学出版会
・ウォーレン・バックランド『フィルムスタディーズ入門 映画を学ぶ楽しみ』晃洋書房
・ロバート・スタム他『映画記号論入門』松柏社
・岩本憲児他編『「新」映画理論集成』全2巻、フィルムアート社
B 映画・映像作品についての知識:
言うまでもなく、多様な種類の作品をできるだけたくさん観ておくことが重要です。上記のテキストを読みながら、そこで取り上げられている作品を観ていくとさらに有益だと思います。
C 専門領域に収まらない知識:
試験問題に直結する知識だけでなく、歴史・思想全般に関しても広く勉強しておいてほしいと思います。遠回りのように見えるかもしれませんが、幅広く勉強しておくことが、広い視野から映画史・映画理論を理解することやその深い考察につながり、論述問題の試験の解答にも生きてきます。とりわけ、次の2つについての基礎的な知識が必要です。
・現代思想(哲学、文学、社会学を含む)の系譜
・日本の近代史、アジアの近代史、近代のグローバルな歴史
これらは、学部の授業を受講して勉強することもできるでしょうし、あるいは、そうした機会がない人は、概説書がたくさん出ているので、それらを複数(1冊だけではなく)読んで基本的な知識を身につけるようにするとよいでしょう。
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問い合わせ:Hideaki Fujiki
(受験等に関する質問にも、可能な範囲内でお答えします。)
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